2010年07月15日
上棟式の日
上棟式の日の様子
床梁・棟木がのり、垂木が並べられ屋根の下地板が張られ、防水シートがはられ、上棟式を迎えました。写真は正面上棟式直前の全景写真です。
解体前の「となりや」は間口7間半、奥行9間の本棟に風呂・トイレ棟がついた造りでした。街道に面した旅籠、大きいのは当時必要だったから。しかし、駐車場がなく不便です。駐車場4~5台分をとって、最も残したい部分を奥行5間に縮め、間口6間半としたのが再生となりやです。
梁と柱組みを2階より撮ったところです。柱は古材です。 新材に見えるのは保護用の紙をまいてあるからです。この下は食堂になる予定で、梁はむき出しにして、吹き抜けの高い天井にする予定です。
一番奥の客間につづく広縁から内部を見た写真です。古材の柱も足りなくなり新材になり、天井も新材です。奥に横たわる長押や差鴨居の古さと対比できます。 まだ階段はついていませんがもえすぐ、写真中央に取り付けられることになります。
南西隅、勝手出口付近の柱です。下部は腐ってしまったので切り取り、新材を埋木接着した材(3月28日に接着固定加工)を使っています。
昔の宮ノ越宿の建物は2階が階下にせり出す出桁造りが特徴でした。それも残す予定ですが、「となりや」は宿場世話役を仰せつかっていた旅籠でしたので、1階の南北に出桁格子戸飾りをつけていました。上部に裏紋の右三巴の彫り物がはめ込まれました。(表紋は桐)できるだけ当時の風情は残したいという願いから付けていただきました。
2階北東の和室になる部分に紅白幕をはり、祭壇を作っていただき、関係者が参加して、工事の無事を祈願し
て棟梁の謡に合わせ、斧入れや槌入れの儀式を行い無事上棟式は終了しました。
次回からは、進行状況だけでなく、古材をどのように生かし使っているか、解体前の写真と比較しながらお知
らせしていけたらと思います。