2010年10月30日

建具

【 建 具 】
 完成間近になり、電気がつくと同時に建具がはめ込まれました。
 玄関を入ると正面に3枚の千枚格子戸が目に入ります。古いとなりやで使われていたものです。内部の塗装はすべてこげ茶色で暗っぽい感じがしますが、それだけにこの朱塗りの千枚格子戸はいやでも目立ち、引き立てる存在です。
 長い間 使われつづけ、上下の山と溝もすり減り、今ままでは上の凸部分に板をつけ足し使ってきました。今回は建具屋さんでクリーニングしてもらうと同時に、下に下駄を履かせてもらい、ピッタリ入るようにしてもらいました。
























 居間と食堂の間の仕切り戸も今まで使ってきたものです。上の格子部分の障子は張り替えました。真ん中はガラスが入っていたのですが、長い間に割れ違う模様のガラスになっていました。同じガラスにそろえることは現在では困難ですので、プラスチック系の和紙模様の材を入れてもらいました。
























 最初の写真の格子戸の右横に襖が写っていますが、この襖は新しいものです。ただ、引き手の金具だけは古い物を取り付けて作ってもらいました。11の和室があったので襖もたくさんありました。使われない襖は処分されたのですが、金具だけは取って保存してくれていました。余った金具だよと言って現場監督さんが見せてくれた金具です。

























 4枚目の写真はアルミサッシの窓につけた格子戸です。以前は2間半の幅で一面作り付けの格子戸でした。再生の家の窓は2間幅です。半間分詰めるわけですが、写真をよく見るとお分かりのように4枚の格子戸に作り替えてはめ込んであります。このようにすると、取り外しが可能で、窓拭きやさんの掃除もしやすくなります。

 






















 最後は全容写真です。玄関の戸と左側の居間の窓の格子戸は新しくつくっていれてもらったものです。屋根の銅板は葺いてから5ケ月経つのでずいぶん色が黒ずんで落ち着いてきました。樋はつけてから1ケ月経たないのでまだ目立つ色しています。
 駐車場のコンクリート打ちが終われば完成という運びになります。
























 10月30日、畳がいれられたそうなので、次は和室の様子をお知らせします。
  


Posted by 画廊となりや at 14:52Comments(0)古民家再生

2010年10月30日

照明

【 照 明 】
 10月28日には最初のクリーニングが行われ、ほぼ完成した姿が見られるようになりました。

電気も通じ、照明器具に灯りが灯りました。最初の写真は画廊として使う2階ホールです。ホールを照らす白熱電球2つと階段を照らす電球が1つ、他に展示の作品を照らすライティングレール上を移動できるスポットライトが6つつきました。

 1枚目は階段を上がって振り返り、奥を見た写真です。突き当たりはトイレで、その右の小窓からは自然光が入ります。右横には書庫と納戸があり、左横には書斎があります。手前右の襖を開けると8畳の和室があり、左手横は10畳の洋間・寝室になっています。
 2枚目は反対側から表側を見たところです。正面に2枚の障子戸があります。開けると出桁づくりの上部のバルコニーに出られます。下には5台ほど車が止められる駐車場になります。完成を控え、最後の駐車場のコンクリート打ちの工事が進められていました。
















































 吹き抜けの食堂の写真です。天井の梁から白熱蛍光灯が垂れていますが、まだビニールがかぶさったままです。笠はオレンジ色ぽく見えますが、木製です。向こうのガラス窓越に隣の林屋さんの勝手口が映っていますが、このガラス窓には木調ブラインドを取り付けます。左側には居間、右側はキッチンです。
 
4枚目の写真は2階の洋間の小窓から食堂を見下ろした写真です。流し台は調整中です。奥には食品庫があり、勝手出口から裏へ通じています。
 手前右側に仏壇をおく棚があり、板戸を開けると階段下のホールがあり、座敷へ通じています。












































































 最後の写真は居間です。この部屋の照明も白熱蛍光灯で笠は木調で、まわりに補助照明として、スポットライトをつけてあります。この部屋でも作品が展示できます。障子戸をあけると玄関前の駐車場から道路が見えます。


























和室の方は畳が入ってから紹介します。次は建具を紹介します。
  


Posted by 画廊となりや at 14:41Comments(0)古民家再生

2010年10月23日

完成間近です

完成間近です

 のんびり古民家再生の様子を紹介してきましたが、左官屋さんの漆喰壁塗りが終わると作業は急ピッチで進み始めました。

10月21日の様子です。白い壁が漆喰で塗られた壁です。外から見たところは、玄関戸が入り、1階の窓に格子戸が入れば完成です。
 屋内には照明器具が取り付けられ、建具が入れば、最後に駐車場のコンクリートが打たれ完成になります。


























 吹き抜けの食堂は壁塗りは終わりましたが、内装用の工事用具やら照明器具が置かれ、足の踏み場もないほどです。





















































 2階では照明器具の取り付けが進められていました。画廊の中心になるホールにはライティングレールが取り付けられ照明器具もセットされていました。
 ホールを照らす照明は白熱電球で2つの笠は白いシンプルな笠ですが、これは古いとなりやの階段の照明に使われていたものです。
 ホールの写真(左)は階段をあがった位置から振り向いて奥をうつしたもので、右側は階段をまわって表側を写したものです。
 















































 座敷では、左官屋さんが床の間や床脇の聚楽壁を塗り終え、最後に床脇の上の戸袋の中の漆
喰壁をぬっていたところでした。

























 まだまだ紹介したいところはありますが、この次にして、最後に現場見学会のお知らせをしたいと思います。
 本当は躊躇したのでが、この家の古民家再生工事で大変お世話になった設計事務所と建設会社からの依頼にお断りするわけにもいかず、見学会の開催を承知したところです。
 11月6日、7日の土曜日と日曜日に見学会を開きます。このプログをご覧になってきて、興味のある方は是非おでかけ下さい。
 詳しくは、インターネットで「山共建設」か「降旗建築設計事務所」と打ち込み検索してください。両方に載っています。山共建設のホームページにはスタッフプログも載っていて、そこをクリックすると「宮ノ越宿」の案内も載っていますので、より詳しく知ることができます。
また、来週あたり信濃毎日新聞と市民タイムスにも案内が載るようです。



  


Posted by 画廊となりや at 10:39Comments(0)古民家再生

2010年10月19日

切る木・残す木・植える木……埴栽計画

切る木・残す木・植える木……植栽計画
 
 「吹き抜けの食堂の様子をお知らせします」と書いてから3週間が経ちます。足場はまだ組まれたまま。左官屋さんに聞いてみると「この漆喰壁は6回塗り直しをやるんだ。時間はかかるが、できあがったら、そりゃきれいだぜ。」と言う。 こんなわけで、今回は外の植栽計画をお知らせします。
 
 家が126年の歴史があったように庭に植えられた木1本にもそれなりの歴史があります。花1輪、木1本が私たちの心を癒し和ませてくれます。庭づくりはただ単に家を造るだけでなく同時に考え、大切にしたいものです。
 植木屋さんは庭木は1本とて切るものじゃないと言います。しかし、あまり大きくなりすぎた木はやっかいなものです。今回のとなりや再生工事では、庭はまったく手をつけずに家だけを造り替えました。しかし、北側の門をくぐるとつぼ庭までの通路に3本の大木がありました。
                      
 






















3月13日の解体中の写真です。コンクリートづくりの門を入ったすぐのところに赤松の木。その奥の足場が組んである中に木曽5木のうちのさわらの木が2本ありました。1本は塀を作る時にじゃまになってしまうので切り倒しました。中は腐って空洞になっていました。「うとろ」といいます。電話でこの状態を知らされた私はもう1本のさわらの木も切ってもらうようにお願いしました。               2本とも大きくなりすぎたために、かつて父が頭を切って止めていました。切り口に雨水がはいらないように処理をしておけば良かったのに、そのままにしてありました。切り口から雨水が入り込み、長い間に中心部が腐っていたのです。

 家ができ、塀ができてしまった後になってこの木が倒れたりして、処分しようとすれば大変なことになります。直径70㎝ほどの切り株は中心の50㎝ほどは空洞になっていてもう限界で、切ってもらってよかったと思いました。

 そのかわり入り口の赤松だけはなんとか残したいと願い、写真のように塀と駐車場の基礎工事をしてもらいました。松は10㎝でも埋土すると枯れてしまうようです。根本まわりにはバークチップを入れたいと考えています。

















































                                      
 両隣は大和塀で囲み、道路に面した部分は車5台ほどが駐車できるスペースをとります。玄関前には緑が欲しいので植栽スペースを作ってもらいました。4枚目の写真で犬走りの前に60㎝ほどの幅で玄関の両側に10㍍ほどあります。来春、ニシキギ・やまぼうし・花水木・どうだんつつじ・さらさどうだんつつじなど四季の移り変わりを感じられる赤と白の花が咲き、赤い実のなる低木の落葉樹を中心に並べたいと考えています。庭木いじりの好きな私は佐久の畑で育ててきた木を移植して小さな植栽スペースを自分の手でと思っています。









































































 来週は何がお伝えできるかお楽しみに。
  


Posted by 画廊となりや at 06:31Comments(0)古民家再生

2010年10月09日

外部塗装

板壁・出桁づくり等外部塗装 

「次回は吹き抜けの食堂の塗装が終わっていると思いますので、それを紹介したいと思います。」と書いたのに、内部はまだ足場を組んだまま。天井をはって、壁を塗る左官屋さんがこれからはいるため足場はそのまま。食堂の様子はわかりにくいので後日にして、先に外部の様子をお知らせします。

                  
 9月30日の正面から見た写真です。以前紹介したよりもだいぶ塗装が進み、全体に黒っぽくなってきました。柱・長押・出桁が塗られました。屋根の銅板も酸化が進み、6月葺いた時は雨樋のようにピカピカ光っていたのが、かなり黒っぽくなってきて、全体となじみ調和してきた感じです。
                         

 



















            
 正面北側からとった1階部分の写真です。
出桁づくり部分と下の出格子飾り部分が塗られています。アルミサッシの窓ガラスには格子をはめ込む外枠が塗られています。
 完成まであと1ケ月になりました。上部の板の横貼りの部分は漆喰で塗られ、下の 腰板(簓子下見板張り)は黒く塗られる予定です。玄関の戸も仮設の板戸から格子の入ったものにかわります。
















































 出桁づくりのバルコニーはほぼ完成です。手摺りも塗装が終わりました。床は東風が吹き雨が吹き込んだ時濡れても大丈夫のように防水塗装してあります。両側には水が下に流れ落ちるように排水溝を設けてあります。
    











































   
              
 裏側の坪庭に面した壁はどうなっているのでしょう。
外側から見える部分は漆喰ぬり・板壁ですが費用がかかりすぎます。裏側は見えない部分ですので、吹き付け壁にしました。
足場が組んであります。壁の部分は吹き付けになります。横板の上に黒いシートをはり、細い金属製のクロス状の網がかけられています。下地塗りが終わったら吹き付けが行われます。















































                     
 最後に食堂内部をのぞいてみました。梁の塗装は終わっています。天井は2階の他の部屋とは少し違った
感じのクロス張りになりますが、そのための接着剤が塗られています。天井と壁が塗られ、足場が外された
らも内部の様子を紹介します。
                          
































  


Posted by 画廊となりや at 06:47Comments(0)古民家再生